いつかできることは、すべて今日でもできる。
ミシェル・ド・モンテーニュ

解釈例

いつかできる…。そんな風に曖昧な指針を持つ行動や事柄は、すべて今日でもできる事です。

いつかできるんだから今はやらなくても良いと考える事は、自分への甘えや怠惰に過ぎません。その事を強く自覚し、「いつか」ではなく「今日」できることをやるのが目標に向かう最短距離のルートとなるのです。

今日できるのに後回しにしたりして、あとで大変な思いをするのは自分です。大切なのは時間の経過を待つ事ではなく、やろうとする気持ちです。やれる事はやれるうちにやりましょう。

名言の活用例

わからない問題を「いつかできるようになる」と後回しにする。めんどくさい事柄を「そのうちやる」とやりたがらない。そんな気持ちを持っている子供に「それは今でもできる事だ」と教えてあげましょう。例えばこんな風に…

子供「夏休みの宿題、あとでできるから今はやらないでおこうっと」

貴方「今できるでしょ?」

子供「あとでできるんだから今やらなくてもいいじゃん!」

貴方「あとでできるってどうしてわかるの?もしかしたらできないかもしれないし、今できる事なんだから今やればいいのよ」

子供「だってめんどくさいもん。あとでやるからー」

貴方「だめ。後回しにしたことは全部自分が大変な思いをするのよ?」

子供「なんで?今やったって後でやったって同じでしょ?」

貴方「いいえ、例えばこの後何日もそれを続けてごらん?どうなると思う?」

子供「まだ夏休みは始まったばっかりだし、ちゃんとできるよ!」

貴方「そんな事はないわ。『いつかできることは、すべて今日でもできる』って言葉があるの。いつか…なんて曖昧な事を言うような事柄は全部今日でもできる事よ?」

子供「でも…」

貴方「夏休みはどんどん減っていくの。できる時にやっておけばあとで自分が苦労しなくて済む場合が多いわ。夏休みを楽しく過ごす為に今のうちに宿題をやってしまいましょう」

出典の解説

ミシェル・ド・モンテーニュ 1533年2月28日 – 1592年9月13日

フランス・ペリゴール地方でユダヤ系フランス人として、政治にも熱心な父とセファルディムユダヤ人の母との間に産まれる。ルネサンス期を代表する哲学者であり、人間の生き方を洞察し、綴り続け1580年に刊行された著書「エセー」は、フランスだけではなく各国に影響を与えたといわれている。法学を学びフランス法官になったあとは、37歳で辞職。父の死後相続したモンテーニュ城で執筆を開始した。フランス宗教戦争の最中、モンテーニュ自身はローマカトリックであったが、プロテスタントの人脈も持ち、両派の融合に努める穏健派であったと伝えられている。1580年に著書が刊行されたあと、各国を旅しイタリアへ向かった。イタリア滞在中にボルドー市長に選出されたと報せが届き帰国。以後4年間(2期)市長を務め、1590年にはアンリ4世の顧問への打診があったが辞退し、著書「エセー」の加筆と改定を1592年に死去するまで続けた。