学生教師の長所は、なんといっても価格の安さです。
価格が安いので、気軽に長時間頼みやすいところがあります。また生徒と年齢もさほど離れていないので、お兄さんお姉さんができたように感じるかもしれません。
フレンドリーな雰囲気になりやすいかもしれません。
また、学生教師の場合受験に勝った方がされることが多いので、効率的な勉強法を知っているとも考えられます。

短所はやはり、指導力は期待できないことです。

これは仕方がありません。

派遣業をした経験で言えば、学生に中学受験の受験指導を期待すること自体無理があります。
学生側も本音は、できれば責任の重い受験指導はしたくないものです。

ご存じの通り知っていることを知らない者にわかりやすく伝えることは、簡単なことではありません。
保護者様におかれましてもご自身の学生時代を思い出していただければ、家庭教師をしている学生の数に比較して成績がすごく上がったという事例がいかに少ないか、また仕事という高い意識を持った学生家庭教師がどれほど少ないか、察しが付くところでしょう。

ましてや中学受験は6年以上前に学んだものなので、相当忘れてしまっているはずなのです。
しかも相手は自分の常識が通用しない年齢。
学生の対場から見れば、(というか学生でなくても)最も指導しにくい対象です。
(大学受験指導も高校受験指導も経験している私から見ても、中学受験指導の方がずっと骨が折れます)
また優秀で学生であれば、有能な者にとってできない者を理解することは難しいことです。
自分が優秀であればあるほど、なぜこの問題ができないのか理解に苦しむところでしょう。

できない生徒を受験で勝たせるためには、知識だけを教えてもダメなのです。
また学生教師は、効率的な勉強法を知っているかもしれませんが自分のやり方しか知りません。
しかしこれが実際には裏目に出る場合も十分考えられます。

人間はそのときの能力も性格も才能も時間的な制約や環境もまちまちなので、ある人にとってうまくいったやり方が、成績不振の小学生にも適合するとは限らないからです。

問題は、ある勉強法がその生徒にうまくいかなかったときに次の手がすぐ出せるかどうか。
なのですが、やはりそれは成功に導いた指導経験の差が大きくものをいいます。

また学生教師を雇う際に親は、学生はプロ教師と比較して、入試が近くなったり重要な時期になると、休む傾向があることも、あらかじめ覚悟しておいた方がよいでしょう。

すなわち、学校行事や定期試験、病欠などを理由にしてどんどん休むのです。直前にあわてるのは家庭です。