勉強を嫌いにさせない

中学受験を目指すことは、結構なことです。ぜひ高い目標を目指されて、難関の突破を叶えてほしいと思います。ただし、受験指導を長年携わってきた者としては、中学受験で最も重要なことを外さない受験をしてもらいたいと思います。

では、中学受験において最も重要なことはなんでしょうか?志望校の合格だとおっしゃる方が大半かと思います。塾をはじめとする受験教育業者は、みなそう言うでしょう。私のような立場の者がこれを言うのは大変勇気のいることなのですが、親として中学受験を考えたとき、志望校の合格以上に重要なことがあります。それは、「勉強を嫌いにさせないこと」です。

塾は合格第一主義ですから、ただでさえ嫌というくらい大量に問題を与えます。消化ができなくても、さらに口を開けさせ問題を詰め込むという感じです。だから中学受験をするというのは、勉強が嫌いになるというのが当然となりうる環境でもあるわけです。中学受験が終わったら、合否にかかわらず大量の「勉強嫌い」が生じてしまうのは、現行の受験システムの問題点なのですが、これは合格を仕事とする塾側としては致し方ないことでもあるのです。

であれば、親側がうまくやらねばいけません。

「勉強を嫌いにさせない」この方針を最優先の柱とおいて受験に取り組んでほしいのです。

そうすれば、例えば休憩に配慮が行き、休憩を取るタイミングであったり、休憩に笑いを入れたりする工夫など考えるようになるかと思います。

また勉強がわからなくなったら嫌いになりやすいものですから、せめて4年生や5年生の勉強は親も目を通そうということになるのです。ここで誤解して欲しくないのは、勉強量を減らせば解決すると思わないで欲しいのです。勉強量が減ったらむしろ塾についていけなくなり、より勉強嫌いになってしまう可能性があるのですから。勉強量は減らさず、勉強へのストレスを減らすことに意識を払ってください。

中学受験は受かった後が重要だということを肝に銘じて、取り組んで欲しいものです。