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作問者を知るということは、受験戦略上非常に重要なことです。合格するだけなら、最も重要なことかもしれません。
前に、塾のテスト問題と上位校の実際の入試問題とではまったく違う、といったことを書きました。
確かにそのとおりなのですが、さらに言えば受験生に求めるものは各校で微妙に違います。
算数ひとつとっても、発想力こそすべてという学校もあれば、スピードも結構重視するという学校もあります。
このように、各校の入試に対する考え方の相違があって、それが問題の形式・量・質・制限時間・配点・教科の順番などに反映されます。
ここまで考えれば『塾の問題さえやっていれば十分』というのは、まったくの虚言であることがはっきりします。
私は塾で与える問題をまったく否定する気はありません。
実力の基盤をつくるうえで有効な問題はたくさんあることでしょう。
しかし時期によってはその目的とは外れた問題を大量にやらされている場合があります。
合格することが目的なのに、いつの間にか『塾でいい子になる』ことが目的になっています。
志望校が決まっているなら、最も重要な問題は過去問です。
過去問から『表現の特徴』『応用要素の特徴』『引っ掛け方(ワナ)の特徴』を押さえることは、数百問無関係な問題をわけもなく解くよりはるかに肝要です。
過去問を分析して「作問者がどのような問題を作ろうとしているか」がわかれば、『相手を知る』という面ではこれ以上ない対策ができるでしょう。